女性にとって切っても切り離せない生理。
日本では使い捨てナプキンやタンポンが生理用品として一般的ですが、フランス人女性はどんな生理用品を使っているのでしょうか。
今回はifopが2021年に15〜49歳のフランス人女性1,010人にアンケートをとった結果をもとにフランスでの一般的な生理用品と今日本でも注目の月経カップについて紹介したいと思います。
一般的な生理用品は日本と同様にナプキンとタンポン
上記は過去1年間にどの様な生理用品を使用したかのグラフです。
アンケートに回答した多くの女性が羽根つきまたは羽根なしの生理ナプキンを使用しており、次に多いのがタンポンでした。
次に多いのが最近日本でも注目されているフェムテックアイテムの一つ吸水ショーツ、ついで月経カップでした。
ただし、使い捨てナプキンやタンポンは、ごみ問題や新しい生理用品の台頭、化学繊維が女性のデリケートゾーンに長時間触れている事に抵抗を覚える女性が増えてきた等の理由から、2017年時より使用する割合は減少傾向にあります。
洗えるナプキンを使用している女性も
興味深いのが、日本ではあまり馴染みがない洗えるナプキンを使用している女性がいるということ。
日本よりオーガニックの意識が高くデリゲートゾーンに化学繊維が触れるのは体に良くないという思いからか、洗える生理ナプキンを使用している人もいる様です。
日本で洗えるナプキンとして人気なのが布ナプキン。
コットンなどの天然素材で作られ、肌触りがいいのが魅力です。
使い捨てナプキンに比べて通気性がよく、またポリマーなどの化学物質を使っていないものも多く販売されています。
かぶれ・かゆみに悩む女性にとっては救世主となるかもしれませんね。
洗って何度でも使うことができる、エコなところも嬉しいポイント。
サイズも色々あり、おりもの用ライナー・軽い日用・夜用など、そのときの状況にあわせて選ぶことができます。
過去1年間に月経カップを使用した割合は20-29歳が12%
年代別に月経カップの使用率を見ると20-29歳が一番多く12%、一番少ない年代が15-19歳の3%という結果でした。
月経カップは比較的最近登場した生理用品。
今まで馴染みのある生理用品を変えるという事は多少なりとも女性なら心配や抵抗があると思いますが、20-29歳の仕事にプライベートに精力的に活動している世代は新しい手段にも比較的寛容で月経カップの使用にも意欲的であることがわかります。
月経がある女性のうち33%が月経カップを使用しても良いと考えている
1年以内に月経カップを実際に使用した人は8%でしたが、実に33%の女性が月経カップの使用に肯定的であることがわかりました。
この様子では、フランスでも月経カップの使用率がドンドン上がりそうですね。
月経カップとは?
月経カップとは、シリコン製のカップのことで膣に直接挿入して経血をためていきます。
経血が溜まったらカップ内の経血を捨てて再び洗って装着します。
経血は4~12時間ごとに捨てる必要がありますが、カップの種類や月経の周期によっては最長で12時間使用し続けることができます。
医療用シリコンやゴム、ラテックス製のものが多く、長くて10年間使用できるという特徴があり、欧米では1990年頃より薬局などで販売されるようになりました。
フランスでも様々なブランドの月経カップが販売されていますが、日本で人気なのはドイツ製のメルーナ、アメリカ製のスクーンカップやエヴァカップ、日本製のローズカップ等です。
ステルラは色々調べて、メルーナの月経カップを愛用しています。
月経カップのメリット・デメリット
私にとって月経カップの一番のメリットは不快な匂いがほとんど出ない事でした。
私は仕事が営業職のため、打ち合わせや外回りの時はタイミング良く生理用品を交換できない事がある為、大容量のナプキンを使用していました。
ちなみにタンポンは紐の部分が気になるので、現在は使っていません。
その時に一番気になったのが、ムレや匂い。
特に夏の日に汗だくになってお客さんの会社に到着し打ち合わせをしている時、「匂い大丈夫かな。。」とヒヤヒヤしていました。
月経カップを使用し始めてからは、月経カップと万一漏れた時用に薄手のナプキン1枚で活動でき、快適です。
月経カップのメリットはこちら
- 経血が外気に触れずにカップに溜まるので、不快な臭いがほとんどない
- ムレ・かゆみ・かぶれの心配がない
- 装着感がなく、自由に動いたり激しいスポーツができる
- お風呂や温泉に安心して入れる
- 2000~5000円とやや高価だが、長期間(約10年)繰り返し使用可能で、コスパが良い
- 一生に1~3個の使用で済むため、ゴミが少なく地球環境に優しい
- 血液を吸収するのではなく溜めるので、膣内が乾かず、膣の自浄作用を妨げない
- 月経カップに溜まった血液の量を目で確認できるので、健康管理の目安になる
メリットがあればデメリットも勿論あります。
私の場合、タンポンの使用経験があったので、月経カップを膣へ挿入する事自体は難しくなかったのですが、奥まで入ってなかったのか、最初は膣に違和感があり、どんどん月経カップが下りてきてしまいました。
手で再度奥に挿入したり、膣に力をいれて奥に誘導したりして、適切な位置に挿入することができましたが、月経カップの使い方に慣れるまで時間がかかりました。
月経カップのデメリットはこちら
- 慣れるまでは、装着や取り出しに手間が掛かる
- 初めて使うときは月経カップがやや硬く、痛みを感じることがある
- アウトドア環境など、洗浄施設のない外出先では使いにくい
- 膣に挿入することに抵抗がある人には適さない
フランス女性はどんなタイプの月経カップなら使用可能と考えている?
取り外しが簡単なバックル付きタイプ
使用してもいいと思う月経カップで一番支持率が高かったのが、取り外しが簡単なバックル付きタイプ
膣の構造上月経カップはある地点で留まり、それ以上入り込むことはないのですが、やはり取れなくなったら怖いですし、日々の着脱が簡単なバックル付きが人気の様です。
折り畳み式の月経カップ
次に人気なのが折り畳み式の月経カップ
現在日本で人気の月経カップのほとんどが折り畳み式でない中、2020年に日本にもスウェーデン生まれの折りたためる月経カップ「リリーカップ」が販売開始されました。
持ち運びを考えると確かに折り畳み式の月経カップは非常に便利ですよね。
子宮頸部が高い人用の月経カップ
次に人気なのが、子宮頸部が高い人用の月経カップや月経量が多い人用の月経カップ
子宮頸部の高さは人によりますが、子宮頸部が高いとカップが膣の奥に入りやすい傾向がある様です。
あるはずのステムが触れないないと、焦りますよね。
子宮頚部の高さのチェック方法
生理のときは位置が変わることもあるので注意です。
手を清潔にし、膣に指を入れてみると、指先がドーナツ型の開口部に触れ、それ以上奥に指が進まないのであれば、そこが子宮口です。
- 指の第2関節以上入った場合:「子宮頸部の位置が高め」
- 指の第2関節くらいで子宮口に届いた場合:「子宮頸部の位置はふつう」
- 指の第2関節まで入らない場合:「子宮頸部の位置が低め」
子宮頸部が高い方はあまり小さいカップを選ぶと奥に入り、取り出しが大変かもしれませんので、
ステム部分が長めのものを選ぶとより安心かもしれません。
また折り畳み式で紹介したリリーカップは子宮頸部が高い人用の月経カップも扱っています。
ですが残念なことに日本未発売。。。
今後日本でも発売されることに期待ですね。
月経量が多い人用の月経カップ
また大容量の月経カップと言えば、スーパージェニーのサイズ2(ラージ)
最大12時間使え、更に他のカップとサイズはほぼ同じなのに、容量がたっぷりあることが魅力です。
そして、サイズ2(ラージ)は容量41mlと、世界中の生理カップのなかでも5本の指に入る容量の多さ。
初めてでも使いやすいうえ、経血量の多い人でも長時間使えるのがポイント。
また大容量と言えばメルーナのXLサイズと容量が42mlとたっぷり入るので、おすすめです。
着用していても性交できる月経カップ
次に票が入っていたのが、着用していても性交できる月経カップ
日本では、月経ディスクと呼ばれています。
使い捨てタイプと月経カップの様に何度も使えるタイプがあります。
先ほど紹介したリリーカップは何度も使用可能な月経ディスクも取り扱っていますが、残念ながら日本未発売。。
使い捨てタイプの月経ディスクは通販では入手できませんが、フリマなどでは入手可能な様です。
まとめ
ヨーロッパでもどんどん使用している人が増えてきた月経ショーツや月経カップ、月経ディスク。
ステルラは半年ほど前から月経カップを使用し始めましたが、ムレや匂いがなく、装着感がないので、とにかく楽です。
日本ではまだ馴染みが薄い月経カップですが、エコの視点からも前向きに取り入れたい新しい生理用品になっていくと思われます。
また紹介した様に月経カップや月経ディスクも色んな形や種類があるので、日本の月経カップも今後より種類が増えてくると予想されます。
月経カップに興味があるけれど抵抗のある方は、まずは昼は月経カップ、夜はいつもの生理用品というふうに臨機応変に取り入れてみてはいかがでしょうか?
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